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忘却の穴 [テレビ]

"ARBEIT MACHT FREI" (「労働は自由への道」) 

古びた鉄門に掲げられている文字。

今回の『世界遺産』(TBS)は、人類史上最大の犯罪をしるす負の遺産 ― アウシュビッツ強制収容所です。

そこで効率良く生産されたのは、人間の死であったという恐怖の工場。

地下牢の壁には囚われた者が爪で刻み付けたというキリストの姿がありました。
最期の瞬間まで神を信じ続けた人たち・・・言葉を失います。

あるユダヤ人哲学者が、この絶滅収容所を“穴”と呼んだそうです。家族も親戚も皆殺しにすることで彼らが存在した一切のしるしを消し去る“忘却の穴”と ―

まぎれもなく、アウシュビッツ強制収容所もまた世界遺産といえるでしょう。

中村勘太郎さんの抑えたナレーションがとても効果的でした。


番組を見終わったとき、思い出した一冊の本があります。

夜と霧―ドイツ強制収容所の体験記録

夜と霧―ドイツ強制収容所の体験記録

  • 作者: 霜山 徳爾, V.E.フランクル
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 1985/01
  • メディア: 単行本


『夜と霧』。


アウシュビッツから奇跡的に生還した心理学者の体験記録です。

「知ることは超えることである」

気力と体力があるときにどうぞ。


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shinobirika

こんばんは♪お邪魔いたします。
この番組、私も見ました。人間というものの怖さを突きつけられました。
そして、『夜と霧』、気力と体力で以前読破したのですが、この番組を見てから、読み返してみようかなぁ?と、先日また引っ張り出してきたところです。
by shinobirika (2006-09-05 20:18) 

ポッチ

shinobirika さん、こんばんわ&コメントありがとうございます♪
人間の中にあるおぞましい何か ― いったい、何なんでしょう。あの時代に生きた人々と現代に生きる我々とが果たしてどれだけ違うのかと考えると・・・怖いですね。アウシュビッツを世界遺産にする意義もその辺りにあるのかもしれません。なーんて、今夜はちょっぴり真面目モード(笑)。これも『夜と霧』のおかげかな(実は私も引っ張り出し組です)。
それにしても、この本、なんで本編の前に詳細な解説を置いているんでしょうね。これじゃ、解説から読み始めちゃった人は、よほど気力・体力に自信がないと途中で挫折しちゃいますよね(実は何度も挫折しました 笑)。
by ポッチ (2006-09-06 01:20) 

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