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The Water Is Wide [音楽]

Water Is Wide

Water Is Wide

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Ecm Records
  • 発売日: 2000/08/22
  • メディア: CD


チャールス・ロイドの『ザ・ウォーター・イズ・ワイド』です。

人里離れた山中で隠遁生活を送っていたこともあるチャールス・ロイド。

そんな情報も手伝ってか、チャールス・ロイドの円熟したテナーは悟りの境地といえるほど。何の気負いも感じられません。

ゆったりと流れる大河のごとく、静かに聴く者を包み込んでゆきます。

まさに幽玄の美。

そして、ピアノはブラッド・メルドー。

いつもながらの詩情溢れるピアノを披露しています。

ECMの音で聴くブラッド・メルドーのピアノもまた良いものですね。

アバークロンビーの浮遊感あるギターも絶品です。


バラード集ですが、心地よい緊張感もあって退屈することはないでしょう。

ぜひ、2曲目<ザ・ウォーター・イズ・ワイド>を試聴してみてください。


“The water is wide,
I can not cross over,
 neither have I wings to fly,
 Give me a boat that can carry two,
 and I will row, my love and I.”

たゆたう音の流れに耳も心も委ねてみては?

きっと、あなたの心に溜まったものを流してくれますよ。

【瞑想気分ですっきり度】 ★★★


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ビフォア・サンセット [本]

「過去と向き合わずに済めば、思い出はすばらしいのに」

ビフォア・サンセット (ヴィレッジブックス)

ビフォア・サンセット (ヴィレッジブックス)

  • 作者: イーサン ホーク
  • 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
  • 発売日: 2005/01
  • メディア: 文庫


作家として成功し、パリを訪れたジェシー。彼はサイン会の会場となった書店の片隅にセリーヌの姿を見つける。9年前、14時間を共に過ごし、その半年後に再会することを約束したものの約束を果たせなかった二人。ニューヨーク行きの飛行機が発つまでの85分、9年ぶりに再会した二人は失われた時間を取り戻すように語り始める ―

『ビフォア・サンセット』です。

二人の会話から明らかにされる9年前のあの日の真実と現在。

9年前のあの日、二人が再会できていたら・・・

人生って、そんな偶然(必然?)が織り成すストーリーなのかもしれませんね。


ノベライズ本なので、夕暮れの時間にさらっと読むことができるでしょう。

映画の方も観てみたくなること必至です。


映画は2005年に公開。

映画館の隣の席に見た横顔は9年前と同じものだったのか、それとも・・・

物語の主人公は、あなたなのかもしれませんね。


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Sunday at the Village Vanguard [音楽]

サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード+5

サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード+5

  • アーティスト: ビル・エヴァンス,スコット・ラファロ,ポール・モチアン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/09/19
  • メディア: CD



1961年6月25日。

ジャズ史上、燦然と輝く“奇蹟の日曜日”。

その奇蹟の瞬間は幸運にもライヴ・レコーディングされ、2枚のアルバムとなって我々の聴くところとなりました。

今回紹介するのは、そのうちの一枚『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』です。


ビル・エヴァンス(p)、スコット・ラファロ(b)、ポール・モチアン(ds)

ピアノ主体の二等辺三角形から三者同格の正三角形へとピアノ・トリオのスタイルを発展させた三人は、このライヴでピアノ・トリオの究極の理想形を見せてくれています。

一卵性双生児である名盤『ワルツ・フォー・デビイ』に人気の面では一歩譲るものの、神がかっていることには変わりなし。スコット・ラファロのオリジナル曲も収録されており、歌心溢れるベースとピアノの応酬を満喫することができるでしょう。


そして、11日後 ―

スコット・ラファロは両親の住むニューヨーク北部の街へと向かう途中の街灯もない田舎道で車の運転を誤り、その27年の人生に幕を閉じました。

理想的なトリオの終焉は、ビル・エヴァンスの中の何かをも殺してしまったのでしょう。

以降、ビル・エヴァンスは失われたピースを求め続けることになります。
(その結果、エヴァンス・トリオからは名ベーシストが幾人か輩出されることになるのですが)。


若くしてこの理想的なトリオを得たことは、ビル・エヴァンスにとって最大の幸福であったと同時に最大の不幸であったかもしれない ―

センチメンタルにすぎる?

そうなんでしょうね。

でも、そんなトリオだったのです。

【日曜日は2本立て気分度】 ★★★

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バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番第5楽章 [音楽]

私がその曲に出会ったのは音楽室でもレコード屋でもなく、小さな映画館でした。

映画のタイトルは 『無伴奏「シャコンヌ」』。

ヴァイオリニストのアルマンはソリストの代役として華々しいデビューを飾ったが、自らの芸術を追求するために表舞台から姿を消す。10年後復帰しようとしたものの、もはや音楽界にアルマンの居場所はなく、彼はメトロの地下道で自分の音楽を奏でるようになる ―

そんなストーリーのフランス映画です。

ラストの15分。

アルマンが地下水路を進む小舟に乗って≪シャコンヌ≫を弾き切るそのシーンは、まさにこの15分間のためにこの映画を撮ったのだと思わせるものでした。

暗闇の中、全身でバッハの音楽を感じたのを覚えています。


“シャコンヌ”という名の小宇宙。

そこに見えるのは絶望、希望、そしてそれを超えたもの ―

聴くたびに胸がしめつけられ、また同時に安らぎを覚えます。

映画で実際にヴァイオリンを弾いていたのはギドン・クレーメルでしたが、彼の厳しいヴァイオリンを聴くのはそれなりの心の準備が必要なので、今回はこちらの一枚を選んでみました。

バッハ:シャコンヌ

バッハ:シャコンヌ

  • アーティスト: ハーン(ヒラリー), バッハ
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • 発売日: 2004/11/17
  • メディア: CD


ヒラリー・ハーン
17歳のデビュー盤。

彼女の伸びやかで丁寧なヴァイオリンは、純粋にバッハが作り上げた音楽の素晴らしさを伝えてくれています。

ヴァイオリンの音色も明るく美しい。

「どれひとつとしてバッハでは誤魔化しがききません。逆に全部をうまくこなせれば、この上なくすばらしい音楽が歌い始めます。今度の録音に、そんなバッハの音楽に対する私の愛が少しでも多く表れていればうれしいと思います」(ヒラリー・ハーン)

そんなコメントどおり、彼女のバッハへ愛が感じられる一枚です。


「人生は困難の連続だけれど、とても豊かなはず」(ジャン・マルク=ルイサダ)

きっと、そうなんでしょうね。

映画もバッハの音楽もそう教えてくれています。

【秋はイロイロ見つめる気分度】 ★★★


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Blossom Dearie [音楽]

ブロッサム・ディアリー+3

ブロッサム・ディアリー+3

  • アーティスト: ブロッサム・ディアリー, ハーブ・エリス, ケニー・バレル, レイ・ブラウン, ジョー・ジョーンズ, エド・シグペン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2006/06/21
  • メディア: CD


「本格的なジャズはちょっと・・・でも、ジャジーな気分は味わいたい」という方へ。

ブロッサム・ディアリーの『ブロッサム・ディアリー』です。


キュートな歌声のブロッサム・ディアリーが強力なバック陣を得て、可憐にスウィング。

スタンダードをフランス語で歌ったりと聴きどころ満載なのですが、中でも<ナウ・アット・ラスト>が絶品。

失った恋を歌ったこの曲、ファイスト(i-pod nano のCMで<1234>が流れてましたね)もカヴァーしているので聴いたことがある方もいるかもしれません。

人はどうして失ってはじめて気づくのだろう・・・

けっして歌唱力で勝負するタイプではないブロッサム・ディアリーの丁寧な歌が胸に迫ります。


スタート・ボタンを押せば、
50年代にタイムスリップ。

この機会にお父さん、お母さん(そのまたお父さん、お母さん)の青春時代を思い浮かべてみてはいかが?

温もりあるサウンドは、これからの季節にもぴったりですよ。

【中央線沿線カフェ気分度】 ★★★


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センセイの鞄 [本]

「ツキコさん、ワタクシはいったいあと、どのくらい生きられるでしょう」

センセイの鞄

センセイの鞄

  • 作者: 川上 弘美
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2001/06
  • メディア: 単行本


数年前、駅前の一杯飲み屋で再会した“センセイ”とわたし。それ以来、顔をあわせるたびに二人で飲む仲に。歳の離れている二人ではあったが、季節の移り変わりとともに二人の心の中でお互いの存在が大きくなってゆく ―

川上弘美さんの谷崎潤一郎賞受賞作品 『センセイの鞄』です。


真面目でお茶目なセンセイとお酌の下手な
わたし。

二人の近すぎず遠すぎずの距離感、先生と生徒のようであり友達のようでもある会話がとっても魅力的。ずっと聞いて(読んで)いたくなります。

そして、なんと言っても二人の通う居酒屋での様子が美味しそうなこと!

お酒に、まぐろ納豆、蓮根のきんぴら、塩らっきょう、枝豆、焼き茄子、たこわさ、湯豆腐・・・

読んでいれば、本の中から美味しそうな匂いが漂ってくるようで、寝る前にベッドで読むにはなかなかキビシイものがあるかもしれません。

お酒は飲めないという方も、その雰囲気にほろ酔い気分を味わうことができるでしょう。飲める方は・・・飲みすぎに要注意!です。


ゆったりと穏やかな大人のラブ・ストーリー。

秋にはこんなラブ・ストーリーもいいですね。


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ビゼー&フォーレ ピアノ作品集 [音楽]

ラインの歌~ビゼー&フォーレ:ピアノ作品集

ラインの歌~ビゼー&フォーレ:ピアノ作品集

  • アーティスト: ルイサダ(ジャン=マルク), ビゼー, フォーレ
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 1998/04/22
  • メディア: CD


ビゼー&フォーレのピアノ作品集。

ピアノは鍵盤の魔術師、ジャン=マルク・ルイサダです。


ビゼーの≪ラインの歌≫は6つの曲から成る小品。

ビゼー自身によって“Lieder sans paroles”(Songs without words)と副題をつけられたその作品は、まさに言葉のない歌です。

どこか懐かしくてやさしいメロディとルイサダのやわらかなタッチ。

聴く度に、あなたの心を酔わせてくれることでしょう。


そして、フォーレのノクターン。
e-g-g さんのおかげで、お手頃プライスでゲットできました

フォーレが後年聴覚を失っても生涯に渡って作り続けたノクターン。

翳を帯びた繊細なメロディはドラマというより、もっとパーソナルなもの。

ルイサダは透明な美しいピアノでフォーレの心の裡を見せてくれます。

長く味わいたい作品ですね。

        *

輸入盤ではビゼーのノクターンが収録されているのですが、これがまたため息モノ。

7分16秒間の夢幻の世界。

ルイサダの右手の美しさといったら!

ショパンのピアノ協奏曲第1番がまだなら、輸入盤もオススメです。

        *

昼間はビゼー、夜はフォーレ。

フランスの音、日本の秋にもけっこう合いますよ。

【魔法にかかる確率100%度】 ★★★


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the ART of the TRIO [音楽]

If I expected love when first we kissed
(初めての口づけで、愛を期待したとしたら)
Blame it on my youth
(それは私の若さのせい)
If only just for you I did exist 
(あなたのためだけに生きたとしたら)
Blame it on my youth
(それは私の若さのせい)

こんな歌詞で始まる<ブレイム・イット・オン・マイ・ユース>。

初々しい恋心を綴ったエドワード・ヘイマンの歌詞がなんとも素敵。

恋したときの気持ちは世界どこでも変わらないようですね。

でも、最後はちょっと切なくて・・・

If I cried a little bit when first I learned the truth
(現実というものを知って、少し涙を流したとしても)
Don't blame it on my heart
(私の恋心を責めないで欲しい)
Blame it on my youth
(すべては私の若さのせいなのだから)

こんな結末も世界共通?

やっかいなのは若さなのか、それとも恋なのか・・・はて。


さて、そんな<ブレイム・イット・オン・マイ・ユース>で幕を開ける、このアルバム。

Art of Trio 1

Art of Trio 1

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
  • 発売日: 1999/02/01
  • メディア: CD


ブラッド・メルドーの『アート・オブ・ザ・トリオ vol.1』です。

新世紀のカリスマ、ブラッド・メルドー。

彼の登場は、もはややり尽くされた感もあるピアノ・トリオというフォーマットに新たな可能性を感じさせるものでした。

驚異のテクニックと詩情溢れる繊細なタッチで描く音世界。

このアルバムでも、限りなくロマンティックな<ブレイム・イット・オン・マイ・ユース>を披露しています。

これを聴けば、彼が“鍵盤の詩人”と呼ばれる理由が分かるでしょう。

そのアルバム・タイトルに偽りなし、です。


「恋は人を詩人にさせる」


素敵な詩、書いてみたいものですね。

【秋は詩人の気分度】 ★★★


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やさしい歌は世界を変える [テレビ]

MONGOL800(もんごる・はっぴゃく)

“モンパチ”の愛称で知られる、沖縄出身の3ピースバンドが今回の主人公です。
(『やさしい歌は世界を変える~MONGOL800 沖縄・奄美 トロピカルツアー'07~プレミアム10』 NHK総合)

その知名度の高さにも関わらず、驚くほどメディアへの露出が少ないMONGOL800。

そんな彼らの貴重な映像。

今年の夏に「トロピカル・ツアー」と名うって行われた沖縄・奄美の離島を巡るツアーの記録です。

ライヴ会場は空調設備のない体育館、ホテルの宴会場、定員110名の民謡酒場・・・etc.どこもふだんはロック・バンドのライヴが行われるような場所ではありません。発電機が壊れてマイクやアンプが使えなくなって、アコギ一本で歌うなんてハプニングも。

そんなツアーもMONGOL800だからできること。

立派なコンサート・ホールでは伝えることはできないメッセージ、きっと伝わったはず。

これからも彼らは沖縄の若者たち、いや日本中の若者たちの代弁者であり続けるのでしょう。

素敵な表情が詰まった、爽やかなスコールのような90分でした。

 

そして、9月29日。

集団自決をめぐる教科書検定意見の撤回を求めて11万もの人が集まったという沖縄県民大会。

その中にはMONGOL800の歌を愛する人もいたでしょう。

やさしい歌は世界を変える

そう、変えることだってできるはず。

やさしい歌、一人でも多くの人の心に届きますように。


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ブラームス 交響曲第3番 [音楽]

ブラームス:交響曲第3番&第4番

ブラームス:交響曲第3番&第4番

  • アーティスト: ハーディング(ダニエル), ドイツ・カンマー・フィルハーモニー・ブレーメン, ブラームス
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2001/10/24
  • メディア: CD



ブラームスの交響曲第3番。

ブラームスの4つの交響曲にあって、最もコンパクトな作品(演奏時間の点で)ながら、内省的な曲想に美しい旋律というブラームスらしさでは他の3つにも引けを取らない傑作です。

その第3楽章が映画『さよならをもう一度』で使われ、そのロマンティックなメロディが有名になりました。


今回紹介するのは、ダニエル・ハーディング指揮、ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンの一枚です。

若きカリスマ、ダニエル・ハーディング

恵まれた才能の持ち主は運をも味方につけて、わずか18歳でデビュー。この録音もわずか26歳当時のものです。

そのルックスに似合わず(?)、大胆でエネルギッシュな指揮ぶり。

ドイツ・カンマーフィル・ブレーメンの明るい響きと相俟って、目の前に現れるのはキラキラとした若々しいブラームス。

まるでデフォルメされているかのようなメリハリの効いたブラームスは、古式ゆかしいブラームスに馴染んだ耳には新鮮に響くことでしょう。特に終楽章での迫力あるドライヴ感は爽快のひと言。

ハーディングが額に汗を浮かべながら指揮している姿が目に浮かびますね。


ちなみに、このハーディング、あのイングランドの名門マンチェスター・ユナイテッドFCの熱狂的なファンで、貴重なリフティング姿(!)も披露するほど。

得点の瞬間、ガッツ・ポーズするハーディング・・・けっこう様になりますね(笑)。

【ファイン・ゴール!気分度】 ★★★


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